大悲の願船(だいひのがんせん)に乗じて光明の広海に浮びぬれば、至徳(しとく)の風静かに衆禍(しゅか)の波転ず。
すなはち無明(むみょう)の闇を破(は)し、すみやかに無量光明土(むりょうこうみょうど)に到りて大般涅槃(だいはつねはん)を証す、普賢(ふげん)の徳に遵(したが)ふなり。
浄土真宗聖典(註釈版)189頁
意訳
阿弥陀如来の大慈悲心より発(おこ)された願いの舟に乗り、光明の広い海に浮かぶとき、この上ない功徳の風が静かに吹き、すべての禍(わざわい)の波が転じて穏やかになります。
すなわち愚かさの闇を破り、ただちに計り知ることのできない、光明の世界に至って究極のさとりを開き、迷いの世界に沈む衆生を救うはたらきをさせていただくのです。
法味
浄土に生まれ覚りを開いたら、直ちに浄土を出て迷いの世界に還ってきます。
私一人の救いで完結するものではありません。